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人生のプロセス〜未来から今を俯瞰する〜

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かつて戦国時代には「人生50年」と言われ、織田信長は謡曲『敦盛』の一節を舞って、桶狭間の戦いに望んだのは若干26才の時だった。

「人生50年、下天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり。一度生を亨け、滅せぬもののあるべきか」

たった50年の夢のように儚い人生。成功するか失敗するかはわからないがやりたいことを思い切ってやろう。信長は死を意識することで勇気を奮い立たせ、今川義元の大軍を叩き天下に名を轟かせた。

現代のシニア世代は「人生80年」と言われて久しいが、現役世代の我々は「人生100年」と言われ始めている。寿命が長くなると死を意識しにくくなるが、10年毎のスパンでどのようなことを意識して行けば良いのかをまとめてみる。

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)

いくら寿命が長くなっても衰えを感じた頃に取り戻せるものと取り戻せないものがある。

人類史上こんなに寿命が短期間で長くなることも初めてであり、いつ消えるかわからない掠れた80代ではなく、ハッキリとした実線の80代を迎える人達が多数となる。見通しを立てるとともに、「ハッ」と気づいた瞬間に軌道修正を試みよう。

準備から成長するまで

0才〜30才までを10年毎で区切ってみる。ここでいかなる人物となるかが大方決まる。

本ブログをご覧になる方は、この時期をすでに通過されている方が多いだろうが、考え方として受け止めて頂ければと思う。過去をいかに受け入れるかで未来は必ず変わってくる。

準備期(0〜10才まで)  キーワード「感情脳」

この時期は人間形成の準備期である。人間の脳は、「理屈脳」と「感情脳」の2つに大きく分けられるが、この時期は「理屈脳」がまだ育っていないため、受ける刺激全てを「感情脳」が受け止めている。

この時期にたっぷり愛情を注いで育てられ、周りに受け入れられ承認されているという安心感を植え付けられると、将来肯定的な自己評価となり前向きに道を切り開いていくような積極的な生き方の核となる。

逆に、この時期に不安な体験の記憶が植え付けられると、ポジティブな人生観や世界観を持ちにくくなる。ひどい場合は、破壊型・破滅型の人生となる。

この体験を植え付けられる部分を、IRA(本能反射領域)と言う。

IRAが100%肯定的な脳を持てた人間が、いわゆる天才である。

導入期(10〜20才まで)  キーワード「理屈脳」

この時期に「理屈脳」が発達してくる。

10才までは失敗の経験が少ないが、その後失敗を繰り返すうちにその記憶がIRA(本能反射領域)へと蓄積されていく。

そのような情報が蓄積された情報によって、大人になるほど大きな夢や目標を持てなくなっていく。

天才と呼ばれる人たちは、全ての失敗は成功へのプロセスであると捉えて、夢や目標を持ち続け成功していく。

そうではなかった人たちは、明確な目標を示しやる気やチャレンジ精神を引き出してくれる”人生の師”と出会うことで夢や目標に突き進むことができる。

イチロー選手や松井秀喜選手は父親がその存在であり、学校の先生や監督・コーチ・偉人伝・スポーツ界のヒーローなどに”人生の師”を見つけるケースもある。

成長期(20〜30才)  キーワード「がむしゃら」

知識の吸収、社会経験の積み重ねでも全力投球すべき時期だ。

失敗しても許される若さと体力があるから、この時期にいかに頑張れるかが今後の成熟期を大きく分ける。スポーツ界では、一時的な伸び悩みを「プラトー現象」と呼ぶがここで諦めた人は、どんなに才能があっても一流になり損なう。人生も然りで、いかに壁や節目で立ち向かって克服するかで大きく成長するか、そのまま落ち込んでいくかが決まる。

がむしゃらとは、自分の限界に挑戦することだから苦しい。頑張る人の前には、越えられそうにない高い壁が立ちはだかり、あまり頑張らない人の前には低い壁がたくさんあるのでしょっちゅう壁にぶち当たっている。

このターニングポイントをうまく乗り越えた成功者には、必ず指針を示しサポートしてくれる”人生の師”がいる。

成熟期

成熟期は30才〜60才まで10年毎に前期・中期・後期と分けられる。厳密に分けられるものではないと思うが、およそ30年間の間に歩むプロセスとご理解頂ければといいだろう。

前期(30〜40才)  キーワード「自信」

この時期は、成長期にがむしゃらに頑張れたかどうかで大きな差が生まれる時期だ。

能力の有無にかかわらず、がむしゃらに頑張った人間には妙な自信がIRAに刻み込まれている。

現に引退スポーツ選手は若い時に死に物狂いで打ち込んでいるので、他の分野でも活躍するケースが多い。また、リストラされたとしても若い時にがむしゃらにやった人は、やらなかった人たちよりも成功率が高い。

いずれにして、”自分は頑張れる人間だ”という自信があるかないかが重要である。なぜならその自信がある人間にはツキがあるからだ。

妙な自信があるとチャンスも回ってくる。その時に能力がなくて苦しくてもチャレンジ精神はあるので、その経験をIRAに蓄積して、リーダーとなる次の時期に活かすことができる。

中期(40〜50才)  キーワード「経験」

この時期、それぞれの時期にしなければならないことを行ってきた人たちは40才以降安定した伸びを見せる。組織の中でも重要なポストとなり、リーダーとしての鋭い洞察力、的確な判断力、目的・目標をしっかり示せる指導力が求められる。

これらの能力は一見「理屈脳」が必要に見えるが、実はIRAの「感情的能力」がものを言うのだ。プラス感情とプラスイメージが非常に重要となってくる。20代30代でや流べきことをやってこなかった人は、ここで壁にぶち当たる。

壁というのは、理屈では理屈では乗り越えられないから壁となるので、これまでの時期にやり残したことをやり直して経験を積むのだ。がむしゃらになってやることで、「感情脳」が活性化され、IRAの感じる力が出てくるようになる。

後期(50〜60才)  キーワード「品性」

この時期になると体力も落ち、「理屈脳」の力では若い人には及ばなくなるから、人間としての品性が高く評価され落ち着きが備わってくる。

品性とは、道徳的な面から見たその人の性質・性格のことであり、いい歳してこれがないと軽蔑されたり、嫌われたりするのだ。

このあたりで徐々に価値観の転換が迫られ「世の中のため」や「人のため」などと生き方や考え方が変わってくる。このターニングポイントをうまく通過できないと、寂しく孤独になってしまう。

まとめ

60代以降は人生の「整理期」としてひとまとめに考えられてきた。キーワードは「哲学」となり、いよいよ老いや病、死について切実になってくる。年齢に相応しい自分なりの価値観や人生観、世界観を確立して、自らが若い世代の”人生の師”となる番だ。

そのような価値観などを確立するためには、ある程度の経済的余裕も必要だしある程度の社会的成功も必要となってくる。人生の成功にはその両面が必要となるのだ。

※本記事はコチラの書籍を参考にいたしました。

人生の目的が見つかる魔法の杖

このような年代別のターニングポイントの考え方があるが、最後の「整理期」についてはこれまで20年程度のスパンで考えられてきたが、これからは一気にさらに20年伸びることになる。

その20年がどのような時期になるのか。それは今の現役世代は模索しながら生きていかないといけない。「成熟期」が多少長くなる可能性はあるが、その先を”いかに生きるか”ということだ。

今できることは、今この瞬間を一所懸命に生きていくことだけ。そして現在のターニングポイントにおいて、やるべきことをやっているか振り返ることだろう。多少は立ち戻って、やり直すこともできるだろう。

最後に,論語教育に力を尽くされ昨年101才で亡くなられた伊與田覺(いよたさとる)先生の言葉をご紹介する。

五十六十鼻たれ小僧、

七十八十働き盛り、

九十になって迎えが来たら、

百まで待てと追い返せ

本当に迎えを追い返して101才の天寿を全うされている。

我々には九十で迎えがくるのかどうか。いぞれにしても迎えがくるまでは働き盛りでいたい。