先日、クラシックコンサートのご紹介記事を書きましたが、やはり勝手に敷居を高く感じてしまっている方がいるんじゃないかと思いましたので、「これさえ守れば大丈夫!クラシックコンサートのマナーとは」と銘打ってご案内致します。
どんな格好で行く?
服装は一番気になるんじゃないでしょうか?
あくまで普段着で大丈夫です。ドレスやタキシードで行くと出演者の方ですか?ってなってしまいますので、あくまで普段着のちょっとよそ行きぐらいのレベルで良いです。
たまに勘違いしたマダムがいらっしゃいますが、それはそれで周りからみるとどこかでチケットをもらってテンション高めでいらっしゃったんだなとわかっているもんです。
ちなみにコンサートホールはこんな感じですが、ビビらなくても大丈夫です。
慣れればなんてことない。初めてのその高揚を楽しんで下さい。
少しだけ時間に余裕を持って行きましょう
チケットを購入すると、”開場時間”と”開演時間”が表記されています。
その時間の感覚は大体1時間か30分が一般的です。正直あんまり早く行っても暇です。たまにロビーで喫茶コーナーのあるホールもありますが高いです。そこでコーヒーでも飲もうものなら、コンサート中にトイレに行きたくなると困るので基本は控えたほうが良いと思います。(私はいつもそうしています)
目安は15分ぐらい前に会場に入るぐらい。中に入ってからも広いので席を探すのに少し時間が必要なのと、ギリギリについてドキドキしたままだと最初の音楽に入れないので、呼吸を整える意味でもほんの少しだけ余裕を持って。席がわかりにくかったら、誘導係のアルバイトがいますのでチケットを渡してさっさと連れて行ってもらいましょう。全く恥ずかしいことではありません。
持ち物について
なにか持っていかないといけないものがあるわけではありません。逆に、ちょっと注意して頂きたいというものがあります。
コンビニとかのビニール袋は注意して下さい。音が非常に周りに迷惑となります。カバンの中でも擦れる音がするので要注意ですね。あとアメちゃんとか持ってきてるおばちゃんとかおばあちゃんも、音が迷惑なんですよ。
あと、冬場はみなさんコートを持っていると思いますが、同様の理由でビニールであったり擦れて音のする素材は避けて頂いた方がいいと思います。
音楽は本当に瞬間の響きを楽しむものなので、雑音になる可能性のあるものは配慮頂きたいです。
拍手のタイミング
フライング厳禁です!!
日本の誤った風習として、演奏の終わった(最後の小節)の後「ブラボォー」と叫ぶ人、叫びたい人というのがいます。だいたいのコンサートにはいます。(アマチュアのコンサートでは、賑やかしになりますがプロのコンサートでもいるんです)
これは100%迷惑です。タイミングがわからなかったら周りが拍手し始めたらやって下さい。
全ての曲が賑やかに、いかにも終わり!っていう感じの曲ばかりではないです。中には、最後に死んで天に召されていくような曲もあります。その時は、指揮者が手を下ろすまで音楽が空間に響いているものです。(実際に音は聞こえなくても、音楽全体の流れを設計をしている指揮者の中ではまだ響いているのです)
それをぶち壊しにする方が結構いらっしゃいます。それはそれまでの音楽全てをぶち壊しているようなものです。ですので、まずは音楽をしっかり堪能して下さい。
あと、交響曲や協奏曲といった演目だといくつかの楽章に分かれていて、曲間で指揮者が手を下ろす時があります。しかし、それも途中か終わりかわからない場合は、周りの様子を伺って下さい。
ここでもフライング禁止です。その楽章間の隙間は、次に進むための適切な”間”というのがあり、たまに拍手が起こってしまうと”間”がズレてしまいます。けっこう指揮者はその間を大切にします。その”間”も音楽なんです。
基本的には、交響曲は4楽章、協奏曲は3楽章というのが基本的です。もちろん全てではなく1つ楽章が多いのもあれば、少ないのもあります。その音楽を何回も聞いて馴染んでくると、全体のつながりがわかってきて心にスッと入ってきます。それがクラシック音楽の良さなので、わかるまではわかる人の邪魔をしないようにしましょう。
トイレに行きたくなったら
実はコンサートホールにはトイレ問題があります。
開演前もそうですが、途中の休憩時間のトイレ問題は大変です。
大きなホールであれば、1,000人〜2,000人が一箇所に集まっているのにそんなにトイレはないです。
唯一の裏技は、前半のプログラムが終了して指揮者が退場してまだ盛大に拍手があるうちに、トイレに向かうことです。この時、周りの様子を伺う必要はありません!!
とりあえず、行かないことには行列の後ろにつくしかないからです。
少し戻って開演前はどうするのかというと、コンサートホールに入る前に最寄りの駅ですませておくに限ります。トイレをすませて15分前にホールに入るというのが”一番スマートなコンサートへの行き方”となります。
まとめ
クラシックコンサートのマナーとして5つをまとめてみました。
当初考えていたより、密度の濃いものになった気がします。これだけ実行していると、紳士然とした白髪の老人と目があっても恐縮することはありません。
あなたもしっかりコンサートホールの熱気を支える一人になっていますよ。
最後にチケット購入の際の、座席の選び方を簡単にご紹介。
指定席の場合は、値段に比例して席の良し悪しはある程度わかると思います。
コンサートホール1Fの中央のあたりが一番いい席になります。コンクールの時は、このあたりが審査員席なりますので。
その次は、1F後方の座席か2F席中央あたりがいい所。正直、ホールによって多少の差はありますが、間違いないと思えるのはこの辺りです。1F前方は舞台からも近くて良さそうに思いますが、結構特徴的な響きになるエリアで楽器を演奏される方はいいかもしれませんが、初めてコンサートに足を運びますという方には不向きかなと思います。まずはオーケストラ全体の響きが聴こえるその他の席で堪能して頂きたいと思います。