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<家庭教育の変革>読み聞かせが明日の教育をひらく

「致知」

人間学を学ぶ月刊誌「致知」2018年8月号 特集テーマ「変革する」において、山形県長井市地域創生戦略監の泡渕栄人氏が同市で取り組んでいる”読み聞かせ”の効用や読書と学力の関係について語っています。

 

人口減少局面に入った日本で地方が今後生き残って行くためには、意欲とスキルを兼ね備えた人材が必要であり、そのような人材を育てて行くためには家庭教育の変革=読み聞かせ等の脳科学に基づいたエビデンスづくりと手法開発、普及啓発に一連の取り組みを地方自治体初めての取り組みとして試みられています。

 

その試みというのも、今までになかった画期的なことではなく、当たり前だったと言っても良いような事が脳科学の発展によってエビデンスが揃えられロジカルに説明されています。

この内容を見て考えるべきは、現代の親世代ともいうべき20代〜40代が自分自身を振り返って考えさせられる内容になっているのでまとめておきます。

 

これからの人材に求められるもの

 

これからの優秀な人材とは、「自分で物を読み、情報収集し具現化できる能力」が求められる。

そのためにも早期の国語力の定着ができないとこれからの時代を生き抜く人材の育成は成しえないと考え、”読み聞かせ”の取り組みを長井市で始めているそうです。

 

泡渕氏が、現在に至るプロセスを語っています。

もともと文部科学省職員で、東日本大震災を機に復興庁に出向し、現地対応員として石巻市に駐在する本来の業務以外に、個人的なテーマとして復興の担い手となる人材の育成を考えていたものの現実は厳しいものだったそうです。

 

石巻市は震災前後で約1万人の人口減少があり、内容は中心部ではなく離島部分で減少率が高く、人口流出が原因だったという。その地域は空き家が多く将来の復興の担い手となる若い人が見当たらず、将来の日本の光景見たようだったそうです。

 

しかし、たまたま浜辺の地域を訪れると他の地域に比べて活気に溢れ、小さい子供達が元気に遊んでいる姿ある。聞くと、その地域は質の高いワカメの産地で漁師たちは以前から独自の販売ルートを持って生計を立てているという。

 

被災地に限らず、今後地方が生き残って行くためにはそこに住む人たちがその地で食べていけることが必要で、そのためには商品となるものを自分たちで工夫して生み出し、多様化する販売ルートを自らの手で作り出していくことができないといけない。

そのためには、意欲とスキルを兼ね備えた主体的な人材が必要あると考えたことからです。

 

子供に”習慣”を身に付けさせるのが家庭教育

 

人間とは、習慣の積み重ねで形づくられていますよね。

歯磨きのように意識せずとも行動できる習慣を身につけさせることが家庭教育とも言えます。

場合によっては、親が持っていない習慣を一緒に身につけることになるかもしれませんが、それもすぐに慣れますから一緒に取り組んで見てはいかがでしょうか。

 

暑くなってきたから、普段買わないジュースをコンビニに買いに行ったらそれから日課になってしまったような経験があなたにもあるように、習慣を意外とすぐに身につきますよ。

 

”読み聞かせ”で「親が変わる」

 

「子供達の”意欲”を伸ばすためには、特に0歳から6歳までの未就学期における親子間のコミュニケーションが大事である。」

と語るのは脳トレでおなじみの東北大学の川島隆太教授。

 

なぜかというと、「こころの脳」と呼ばれる感情や情動を司る大脳辺縁系を育むことが、意欲を伸ばすベースになっているから。

親子間のコミュニケーションや共通体験が「こころの脳」を育み、子供達の中に緊急避難基地を作ることにも繋がるという。

 

これらの結果を川島教授はホットケーキ作りをしている脳の働きから明らかにしているため、泡渕氏は読み聞かせで実験をお願いしたという。それは、親子のコミュニケーションが図られるだけでなく子供言語能力の向上に繋がるかもしれないと考えたからだそうです。

 

未就学児とその保護者40組を対象に、8週間の家庭での読み聞かせ前後の脳機能計測器を使って調査したそうです。

結果として1日平均13分間(数分でも良いので極力毎日続ける)となり、時間帯は入眠前で本は子供が興味を示すものを選ぶという条件です。

 

その結果、語彙数の増加は一般的な子供の成長に比べて6ヶ月の伸びがあり、聞く力も顕著な成長を遂げていて、指示を正確に理解する力が急激に増加していたそうです。

また、子供の問題行動が減少して、抑うつや不安などの傾向も減少していたという。

 

このような子供の変化により、親が育児で感じるストレスが減少していることが明らかになり、読み聞かせの時間が増えれば増えるほどに親のストレスが経て行くことも見えて来たといいます。

 

ある親御さんからは「読み聞かせっていいな。子供がかわいくなってきた」という本音も出たという。

結果、読み聞かせは子供の感情の安定=「こころの脳」が育つこと、言語能力の向上、その先に親子間に親が生まれる(愛着形成)に繋がることがわかり、「親が変わる」取り組みという手応えができた。

 

よく読書をする子供は学力が高い

 

仙台市では独自に仙台市標準学力検査や仙台市生活・学習状況調査を行っているという。

先ほどの川島教授が座長を務めるプロジェクトで読書と学力の関係が明らかになっているのでご紹介します。

 

小学校5年生〜中学3年生までを成績を見ると、読書を全くしない子と1日に1時間〜2時間読書をする子供では、大きな学力差があったという。

その差は、偏差値にして4〜5ポイントの差になります。

 

また、1日の読書時間・勉強時間・偏差値の関係で見ると、

全く読書せず1日2時間以上勉強をして、偏差値50

読書を1日10分以上し、勉強時間0.5時間〜2時間未満の方が偏差値で上回っている

 

この結果から、学力向上には勉強だけではなく計画的な読書習慣が必要であることがわかります。

 

読書によって子供の脳に変化が起こる

 

東北大学の最近の研究によって、読書が脳内にある”白質”と呼ばれる脳内のネットワークを作っている部分が発達することがわかっている。この発達の度合いが、”情報処理能力”に繋がっています。

 

当スクールでは速読を指導していますが、一般的な読書スピードは500字前後/分となりのますが東大生は1,500字程度/分と言われているので、明らかに情報処理能力に違いがあることがわかっています。

結局のところ、相応に本を読んで情報を吸収していく時間が多くなるので能力が発達して行くということですね。

 

習慣とは未来へのタネ

 

このように将来をになう人材を育成するためには、未就学期からの活字に触れ合う習慣づくりが第一歩として重要だという思いで、泡渕氏は取り組まれています。

(その後に読書習慣をみにつけることが、どれほど困難なことかはあなたもご存知ですよね)

 

将来を担う人材は、どこかのタイミングで活字に触れ合う習慣を身につけ、決まった答えのない中で、自分で物を読んで、情報収集し、収集した情報をまとめて具現化する力を持てる人ということです。

 

これからの時代は、それぞれの興味を追い求めたり、決まった答えのない課題に主体的に立ち向かう人が幸せ感を抱きやすくなる時代になってシフトしていくと泡渕氏は語っています。

 

まとめ

 

いかがでしたか?

学習指導要領というものも変化が始まっているようです。

これまでのように、ただ情報としてインプットした物を吐き出しているだけではなく、インプットした情報を掛け合わせて自分の考えをアウトプットできる人物の育成に舵が切られるようです。

 

それが今の子供がどこまで実現できるかではなく、すでに大人の我々も鍛え直す必要がありますよね。

先日の統計情報では大学生の約半数が全く読書をしないそうです。

その結果に対して、「最近の若い者は」と考えるのではなくこの機会に自分自身を振り返ってみませんか?

最近、本読んでいますか?時代はどんどん変化しています。当たり前が数年で変わる時代なので、新しい情報をインプットしていかないと気が付いたら迷子になっていますよ。

 

情報処理能力に自信がないあなたには、当スクールの速読法Brain-Boostがおすすめです。

幸いにも、脳には可塑性というものがあり刺激を与えると歳をとっていても変化します。これまで使っていなかった脳力が活性化され情報処理脳力が格段にアップしますので、

一緒に頑張りましょう。

 

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