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日本史にみる大和魂の起源

「致知」

人間学を学ぶ雑誌「致知」2018年3月号 特集テーマ「天 我が材を生ずる必ず用あり」よりご紹介。あなたは”大和魂”の意味をご存知ですか?

元来の意味と間違った意味で理解され、そのまま伝わっている言葉は多々あります。


「日本の教育を取り戻す」という連載企画で福岡県にある中村学園大学教授 占部賢志氏が担当されており、”大和魂”のという単語を取り上げて現役教師たちとの座談会のような記事となっているのでご紹介します。

 

<略歴>

概略

福岡県生まれ[1]九州大学大学院人間環境学府博士後期課程単位取得退学、福岡県の高校教諭、中村学園大学教育学部教授[1]NPO法人アジア太平洋こども会議イン福岡「世界にはばたく日本のこども大使育成塾」塾長、古典輪読会「太宰府斯道塾」塾長、一般財団法人日本教育推進財団顧問[1]

著書

単著

共著

DVD

  • 『占部賢志歴史探訪シリーズ語り伝えたい日本人の物語 第1巻』(明成社2008年
  • 『占部賢志歴史探訪シリーズ語り伝えたい日本人の物語 第2巻』(明成社2008年
  • 『占部賢志歴史探訪シリーズ語り伝えたい日本人の物語 第3巻』(明成社2008年
  • 『占部賢志歴史探訪シリーズ語り伝えたい日本人の物語 第4巻』(明成社2009年

 

私自身、以前福岡県に住んでいたので占部氏の講演を拝聴する機会があり、元寇のときの神風の話や映画にもなったトルコ船エルトゥールル号の話など大変勉強になり記憶に残っている。

しかしながら、まだまだ若かったため途中で居眠りをしてしまい、周りの方に叩き起こされるというご迷惑もかけてしまった。今となっては良い思い出として、毎月の連載を楽しみにしている。

 

大和魂の語源

 

”大和魂”という単語。

実は使い始めたのは、女性なんですよ。皆さんご存知の紫式部なんです。

源氏物語の「乙女の巻」で初めて使っているそうです。

 

「才(ざえ)を本としてこそ、大和魂の世に用ひらるる方も、強う侍らめ」

 

意味は、「学問をすることで大和魂がいっそう世の中に発揮されるようにしてほしいものだ」のような感じです。

”大和魂”の意味は、「知恵」「常識」というニュアンスになる。決して「知識」ではないそうだ。


これは光源氏が、大学で身につけることを述べた文章だ。

光源氏自体は、帝の子として生まれ何不自由なく最短で高位についたが、自身の息子夕霧に大学へ行かせたかったんです。当時の大学は官吏養成機関だったので中下級貴族の子弟が、出世を目指して行くところだったんですけどね。(光源氏の息子というだけで高位高官は約束されたようなものだったんで、そもそも大学に行く目的はない)

なぜかというと、自分のような苦労知らずの指導者に仕える人々は、表向きは忠実そうに見えても腹の中では軽蔑しているに違いないのだと感じていたからなんです。

 

ここで「和魂漢才」という言葉が出てきます。

和魂漢才

和魂漢才(わこんかんさい)とは、日本の思想史上の言葉の一つで、日本固有の精神「やまとだましひ(大和魂)」と、中国伝来の学問「からざえ(漢才)」という対なる概念のことであり、また、その両者を合わせることの意味でもある[1]

和魂漢才碑(大阪市・大阪天満宮)

平安時代中期に成立した概念で、当時の支配階層であった貴族層が学問の基礎を漢籍の知識すなわち「からざえ」に置いたのに対し、実生活における知識あるいは判断力・処世術の類までを含めた行動・人柄を指して「やまとだましひ」と称した。これは当時の社会において漢詩和歌唐絵大和絵が併称されたのと同様の現象であった。

室町時代に作られた偽書『菅家遺誡』にて、菅原道真の時代よりも後世である元寇の産物である神国思想の影響を受けて「和魂漢才」の語が登場し、精神的な意味合いが強調されるようになる。

幕末平田派国学の影響を受けて、より国粋主義的あるいは尊皇攘夷などの政治的なメッセージを含めた形で広められた。そして、日清戦争で日本が漢土(中国)の帝国清朝に勝利したことにより、漢才の概念は切り捨てられ、残された和魂→大和魂が「日本精神」とともに軍国主義国家主義を支える精神的なスローガンとして第二次世界大戦敗戦まで盛んに喧伝されることになる。

 

なぜ紫式部が”大和魂”という言葉を創出したかというと、当時は律令制度下で官吏登用試験を受ける知識人は中国伝来の知識の量を競って覚える(中国でいう科挙ですね)

すると頭の中が万事中国一辺倒になって、世の指導者層から日本人本来の知恵や生き方が失われつつあり、これでは日本が滅びると見抜いたからではないかというのが占部氏の説です。

 

まとめ

 

あなたはご存知でしたか?

日本史を学ぶと目から鱗が落ちるような事実が出てきますね。あの日本人なら誰もが知っている源氏物語で”大和魂”が登場するなんて思いもしませんでした。どちらかという近代に生まれた言葉かと思っていた方も多いのでないでしょうか。

このようなことを知ると、昨今報道でも取りざたされている教科書の中身がいかに問題視すべきかが理解できますね。占部氏は、歴史教科書の主語が「日本は」や「日本政府が」では当事者意識が出ない。

「わが国」へ置き換えることで全く意味の捉え方が変わってくる。と唱えます。

 

A.「日本は・・・新たな支配者になったにすぎない。」

B「わが国は・・・新たな支配者になったにすぎない」

 

全くニュアンスが違いますね。これでは確かに捉える側によって差が大きくなっていきますね。

このように世の中は違った側面なばかりを与えられているかもしれないという認識を持って情報に接していく必要があるということですね。