この広告はご存知だろうか。
おそらく各地のビジネス街と言われる主要駅には1枚は掲示されているはずだ。
結論から言うと、このコピーを考えた広告代理店のライターは非常に優秀だ。しかし、逆の味方をするとこのような広告にいかに世の中が踊らされているのか気付いてしまった。
そもそもいい会社ってなんだ??
これまでの一般論では、大企業と言われる中でも一部上場企業がその”いい会社”と言われるものだろう。
そして”条件がいい”と言う点を考えると、賃金・年間休日・残業など労働条件として書面に書かれる条件ではないかと思われる。
果たしてそれらを動機として求職し、万が一辿り着けたとしてその先に何があるのだろうか。
中小企業大国と言われる日本にあって大企業へ職を求めるのは、ある意味ビックリマンシールで言う”ヘッド”を求めるようなものではないかと思う。そこには多くの人たちが羨望の眼差しで見る”輝き”があるように見えるのだろう。
そして、”世間の目”というフィルターを通すとその”輝き”がハッキリと見えるから、社会的ステータスが得られるのは確かだろう。
(この社会的ステータスって住宅ローン契約の時、結構効くそうですよ)
ちょっと待てよ
ここで最近、私は疑問に思ってしまったんです。
「なぜ、今よりいい会社を探すのか??」
このように本ブログを立ち上げ、スクール開業を目指して日々勉強している現在の私にはそういう疑問が浮かびました。
「会社を探す」っていう選択肢しか見えていないんですよね。会社員には。
私自身、転職経験があり転職エージェントと呼ばれる会社にはお世話になった経験があります。
私自身そうだったんでよくわかります。ないんですよ選択肢が。その中で選ぶために”条件を設定する”必要があるんですね。
以前の記事でご紹介していますが、本当にRASの働きで視野が限定されているんです。それを作ったのは、親・教師・周りの人といった人たち知らず知らずの間に視野が限定されてしまってるんですね。
そして、この広告はその限られた視野の中に”条件”というフィルターを設定して、あるのかどうかわからない”今よりいい会社”へもっと視野を狭めようとしているんですね。
そんな”いい会社”ってあるんでしょうか。私は得意先がいわゆる大企業ばかりですが、”皆さん大変だな”ってつくづく思ってますよ。夜遅くにメールを発信してたり、休みの日でもメールの対応していたり。
やはり大企業の方は、情報処理という点では能力の高い方が集まっているので仕事のスピード感が違います。そのスピード感についていけるかどうかは実際に働いてみないと未知数ですよね。
転職ってどうなのか
実際に転職した当人としてと現在採用側という経験からお話しておきます。
まずは、転職エージェントという人たちはあくまで商売です。キャリアコンサルタントの皆さんが柔らかい言葉でアドバイスをくれたりしますが、とっくにアナタ自身を値踏みされています。
また、エージェントから提供される会社情報もけっこう眉唾物です。皆さんもわかりきってらっしゃると思いますが、会社という組織には合理的ではない部分が多々あるので、上っ面の話だけでは何もわからないです。現にエージェントの企業インタビューに対して答えていても、それが正しく求職者に伝わっていないなと感じることが企業側にはあります。
そして、採用面接でも私自身が面接官をやってわかったのは、最初の5分も経たないうちの○と×は決まっています。それは決めようと思っているのではなく、気が付いたら自分の中で決まっていてもう話を聞いていないです。
判断する要因は以下2点。
1つ目は会話のキャッチボールの間。ボールのスピードや投げてくる所がある程度構えた所にくるか。
異業種交流や異文化コミュニケーションって、この構えた所にこないことを知って守備範囲を拡げるためにあると思います。でも、採用面接ではある程度ストライクゾーンが合う人でないと迎え入れられないので判断ポイントとなります。
2つ目は現在いる社員との比較。主に年齢で誰と同じぐらいかとか、若い人であれば次期入社予定の新卒との比較など。
これはその会社毎の状況によると思います。でも、モチベーションなどの部分で差がありすぎるなと判断するケースはあります。
このように私自身、面接官をやってみて初めて気付いたのですが、面接の合否はアナタ個人がどうのという観点ではなく、本当に”ご縁がなかった”としか言いようがないんです。
会社のことも入ってみないとわからないように、面接でそれまでの仕事の話をされても面接官もその仕事の経験がないので理解できないし、ハッキリ言って聞いてないですよ。一応、質問を返さないと話す事もないだろうと思って、どう質問しようか悩んでるぐらいです。
まとめ
このように広告を一つ見ただけで、つらつらと書いてしまいましたが一番言いたいことは選択肢は”会社を探す事”だけではないという事。
ぜひ、もう一つの”起業”という選択肢についても考えてみるキッカケに本記事がなればと思います。
今年(2017年)が始まった頃、誰が北朝鮮からミサイルが飛んでくると思ったでしょうか、総選挙やると思ってましたか?
その前は、まさかSMAPが解散するなんて思ってなかったですよね??
それぐらい時代の流れは速くなっています。過去記事でご紹介している神田昌典氏は近い将来、”会社”というものがなくなると提言しています。
これらのことを踏まえても、今までと同じ考え方ではヤバいと思いますよね。両方の選択肢をしっかり検討した結果、選択するのならどちらでも良いと思います。
が、それがどこかの広告代理店の掌の上で踊らされているだけって思うとどうですか?
人間はまじめに生きている限り、
必ず不幸や苦しみが
降りかかってくるものである。
しかし、それを自分の運命として受け止め、
辛抱強く我慢し、
さらに積極的に力強く
その運命と戦えば、
いつかは必ず勝利するものである。 by ベートーヴェン
冒頭の♪ジャジャジャジャーン♪について、弟子に意味を聞かれたベートーヴェンは「このようにして運命は扉を叩くのだ」と答えたと言われています。これをもとに「運命」というタイトルが”日本でだけ”つけられています。
皆さんのイメージにあった♪ジャジャジャジャーン♪とイメージが違いませんでしたか?
時代によって、運命の扉の叩き方も変わっているんですよ。