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輝きを放ったニュータウンに学ぶこれからの住環境

その他

西日本最大級のニュータウン「泉北ニュータウン」が”まちびらき”以来、50年の節目を迎えたと産経新聞12/14夕刊で報じている。かつて”ニュータウンで家を持つのがサラリーマンの夢”と言われ、日本の高度経済成長の象徴とも言える団地の状況は現在どのようになっているのだろうか。


ニュータウンの定義とは

 

概要

日本におけるニュータウンの定義について、国土交通省は「1955年度(昭和30年度)以降に着手された事業」「計画戸数1,000戸以上又は計画人口3,000人以上の増加を計画した事業で、地区面積16ha以上のもの」「郊外での開発事業(事業開始時に人口集中地区(DID)外であった事業)」の条件を満たす住宅地として開発された地域をニュータウンと定義している[1]

ニュータウン開発は、地方公共団体都市再生機構(旧: 都市基盤整備公団)などの公的機関によるものと、鉄道会社・不動産会社などの民間企業によるものとがある。事業手法は土地区画整理事業新住宅市街地開発事業などの市街地開発事業によるものが多い。

日本のニュータウンは、新設の鉄道駅周辺に造成されるものと、既存の鉄道駅から離れた郊外に造成されるものの2種類に大別されるが、既存の街と離れたところに作られるものに関しては、通勤を既存の街に依存しているため鉄道やバス、道路が混雑する傾向にある。

既存の街並と異なる場所に多数の人間が住むことから、鉄道の新駅やバス路線の設置、道路が新設されることが多い。規模が特に大きい場合は新たに鉄道も敷設されてが設置されることがある。鉄道会社にとってニュータウンへのアクセス事業参入は、デベロッパーとして沿線不動産を大規模に取得、開発(沿線開発)し大きな利益を挙げることの出来るビジネスモデルであると認識されており、大手私鉄を中心に多くの鉄道会社がこの事業に参入している。ニュータウンにおける鉄道建設費を補助する枠組みとして、1973年(昭和48年)にニュータウン鉄道等整備事業費補助」制度が創設されている。(Wikipediaより)

 

このように戦後復興期、人口増加に対応して住宅供給量の増加に伴いそれまで都市部から離れた場所に集落を作ろうというのが始まりだ。

全国初の大規模ニュータウンは大阪府の豊中市と吹田市にまたがる皆さんご存知の”千里ニュータウン”がそれだ。(昭和37年から入居開始)


ニュータウンの現状

 

周知の通り少子高齢化となっていて、日本の縮図と言える。

国土交通省の平成25年度の調査で全国でニュータウンは約2千カ所あるそうだ。

まちびらき50周年を迎えた「泉北ニュータウン」では、人口に対する65歳以上の人口比率”高齢化率”が28年で33.0%。入居者は「団塊の世代」が最も多い状況で、ニュータウン内の人口も若年層の転出が続くため今後も”高齢化率”の上昇は加速度を増して今後も続いて行く。

人口動態としては、平成4年の16万4,587人をピークに平成28年には12万6,049人という状況だ。

 

また、関西で同様のニュータウンとして兵庫県明石市と神戸市垂水区にまたがる「明石舞子団地」では、若年層の流出による人口減少が著しく平成27年の”高齢化率”は41.6%となっている。

さらに札幌市の「もみじ台団地」は、平成29年の時点で”高齢化率”は44.4%となっている。

このような比率になってくると、自治会の清掃活動など困難になり、地域の繋がりも希薄になってくるので孤独死の問題も行政では考慮されている。

 

再活性化

 

このような大きな潮流の中、回復の兆しを見せるニュータウンがある。それが先述の”千里ニュータウン”だ。

昭和50年をピークに人口の減少が続いていたが、平成22年以降は増加に転じている。

公的賃貸住宅の建て替えによる若い世代の入居や都心部へのアクセス良さが再認識され新築マンション建設も始まっている。平成22年に8万9,337人だった人口が28年には9万9,574人と1割以上もの増加が見られる。

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まとめ

 

このようなニュータウンの状況は、「日本の10年先の未来の縮図」と大阪市立大学大学院の森一彦教授(居住環境学)は紙面にコメントしている。

いずれにしても、今回の事例から考えられることは人口の減少は進むので、住環境選択の第一条件というとやはり立地になって来る。人口が減少した集落では、社会インフラである商店などもなくなっていき高齢者にとっては生活利便性が突然損なわれていくのでどうしていいかわからなくなるだろう。

(もともと山村で生まれ育ってそのまま高齢者となっているのであればギャップは生まれにくいが、ニュータウンに居住する人たちはある意味で当時の価値観の主流にいた皆さんだと推察される。ニュータウンを造れば、そこで全て完結するような”ニュータウン”に住んでいたわけだから、わざわざ”我が街”を出て生活をすることに慣れていないと思われるからだ)

 

また、現在の若年層にとっての住環境を考えると、かつての”新築神話”はすでに壊れ始めている。

どうしても新築で建てようとすると郊外なり、通勤利便性などを考えるとメリットはないと言えるだろう。にもかかわらずあくまで新築の料金で販売されるわけだから、場合によっては新築マンションでも埋まらないというケースもあるそうだ。

 

都心へのアクセスが良く、その中でも駅近というエリアに人は集約されていくという流れは長期的な展望としてすでに流れ始めている。欧米のように、既存の建物をいかに有効活用していくか。

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ニュータウン育ちの一度ニュータウンを出たジュニア世代が生まれ育ったニュータウンに戻って、商店を始めたりかつて毎日のように通ったパン屋を事業継承して、ニュータウンの味を守るというケースも出てきているようだ。

その”小さな街”の中で生まれた目に見えない繋がりがニュータウン生き残りの一筋の光となる。

ちょうど今の20代30代となる自らの住環境を考える世代は、自らの価値観についてあらためて考えることが迫られている。それは、これまでに周りから植え付けられた価値観を見つめ直し、自らの価値観をあらためて作るという作業になる。

 

衣食住という生活の基本のなか、住について他の衣食に比べて同じぐらい考えられてきたであろうか。

災害の多い日本では住宅耐久という点が欧米とは環境が違うが、古いものを壊しどんどん新しい物を造り続けることではないとわかり始めた現在、いかなる価値観を持って住環境を整えるか。

 

”衣食住足りて礼節を知る”という言葉がある。

これまでも決して”住”が足りていなかったわけではないが、個人個人の自らの価値観で得られた住環境によって、目に見えない豊かさが得られるはずだ。