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脳科学を取り入れたニューロマネジメント 〜マネジメント2.0〜

潜在意識 脳 正体ブログ

前回に引き続き、「3Mで学んだニューロマネジメント」についてご紹介します。

今回は、本書の根幹とも言える考え方をである”マネジメント2.0”についてです。

”マネジメント2.0”とは筆者である大久保孝俊氏の造語であり、以下のように定義付けられている。


【マネジメント1.0】

「目に見えるもの」をベースに管理する。例えば、『○の上に△を載せなさい』というような指示が正しく実行されているか。生産ラインの標準作業の構築など目に見える現象や数字をベースとしたマネジメント。確実な管理がしやすいので、「見える化」に多くの企業が力を入れている。

 

【マネジメント2.0】

「目に見えないもの」をベースに管理する。創造的な仕事は、これまでにないアイデアを生み出すことが出発点となるが、メンバーの頭の中を見ることはできないのでアイデアが提案という形で具体化するまで良し悪しがわからない。

マネージャーがメンバーにできることは、アイデアが生み出せるようにメンバーの頭が活発に働くような環境の整備とやる気を引き出す事だけだ。このように「見えないもの」をベースとして管理するマネジメントには、人の脳の特徴を理解しなければならず、それには脳を活性化させる最新の脳科学が役立つ。


【新品】【本】3Mで学んだニューロマネジメント 脳科学を活用して組織・人のモチベーションを高める実践方法! 大久保孝俊/著

 

感情は論理よりも強し

 

脳科学の第一歩として、人間の脳は”新しい脳””古い脳”に分けられる。

【新しい脳】大脳新皮質

      論理的で分析的な思考や言語機能などを司る。

【古い脳】 大脳辺縁系

      情動の表出、意欲、記憶や自律神経活動などを司る。言語機能はない。

 

ここで倫理学の有名な思考実験です。

テーマは「多くの人を助けるために、他の1人を犠牲にすることは許されるか」

 

<状況1>

ブレーキの効かないトロッコが高速で走っている。その線路の前方にその場から離れられない作業員が5人いる。あなたの目の前にあるレバーを引くと、トロッコの進行方向を変更できる。

ところが、変更された線路には作業員が1人おり、アナタがレバーを引くとその作業員は轢かれてしまいます。(この行為は犯罪とは見なされません)

《考え方》

”新しい脳”大脳新皮質をフル回転させて考えると「五人の命は一人の命より価値がある」という結論にいたり、レバーを引くことで一人の命を犠牲にする。

実際にこの質問に対しては「レバーを引く」という答える人が多いという。


<状況2>

トロッコが走っている状況は同じ。

トロッコの走る先に、線路にかかる橋がある。その橋の上には、非常に体の大きな男がいた。

その男を橋の上から落とすと、トロッコは止まるが男は死んでしまう。

 

《考え方》

この時多くの人が、「押さない」という人が大多数を占めたそうだ。

この「押さない」と答えた人に「五人の命は一人の命より価値がある」という論理的な意思決定はどうなったのか聞くと、「自分で手を下して人を橋から落とすなんてできるはずがない」と答えるだろう。

 

 

結果として、「五人の命を救うために一人の命を犠牲にすることは許される」という論理的思考よりも、「自分が犠牲者を直接つくることは嫌だ」という感情に基づく意思判断が優先されたことになる。

それは、感情を司る大脳辺縁系が強烈な拒否反応を示し、論理的な思考を排除したということだ。

 

MustをWantに転換する

 

「論理的には正しいと思うが、納得できない」といういわゆる腹落ちしないという感覚は、大脳辺縁系からのメッセージである。だから、マネージャーは腹落ちした状態を作らなければいけない。

 

そのポイントは、「○○しなければならない(Must)」という状態から、「○○したい(Want)」という状態に変えることだ。

Mustは、論理的に導き出された結論で強制力を伴うのでストレスや不安を感じてしまう。一方、Wantは”大脳辺縁系”が活性化し、ストレスから解放された心の状態であり、この状態だとアイデアが生まれやすい。

 

”マネジメントの鉄則は、メンバーの心の状態をMustからWantに変換させること”と言える。

 

まとめ

 

筆者の提唱する”マネジメント2.0”について脳科学の観点からまとめられている。

多くの職場では、大なり小なり必要になってくる考え方ではないだろうか。マネジメントに関わらず、人が集まって集団となった時いかに持てる力を発揮してパフォーマンスを発揮するか。

よくあるテクニック論ではなく、脳科学という人間の本質中の本質とも言える部分がいかなるものかという説明が加えられているので、否定のしようがないとも言える。

マネジメントの職にある方は、何らかの課題を常に持っていると思うが、この脳科学を少し学んでみると今まで理解しがたかった事も、スッと理解できてしまったりするかもしれません。

その意味では、本書が脳科学の知識とともに著者自身の豊富な経験も合わせて紹介されているので、非常に実践的で読み応えのある1冊となっているので現代の必読書とも言える。

 

ちなみに、最後のMustを Wantに変えるということが、前回記事で取り上げた”SSRマネジメント”という具体的手法となっている。