①に引き続きマインドフルネスの研究について紐解いていきます。
一番のポイントは、瞑想という昔から行われてきたことを現代の科学的研究で解明するかという所かと思います。
瞑想の科学的理解に貢献した3人
- マチュー・リカール・・・フランス人のチベット仏教僧侶。《世界一幸福な男》
- リチャード・デビッソン・・・医師。「幸せ」とは楽器を弾けるのと同じく、訓練し習慣化で身につく。
- ジョン・カバット・ジン・・・医師。《マインドフルネスストレス低減方》
キーワード【幸せ】って何なのか
瞑想を習慣としている人の脳としていない人の脳を比較すると、幸福感に結びつく特定の部位(左の前頭前野)が著しく活性化していることがわかった。この状態を左側への傾きという意味で、”レフトティルト”と呼びます。
前述のマチュー・リカールはこの左側前頭前野の活性化が顕著であったため、”世界一幸せな男”と呼ばれたんですね。なんせ、「何があっても、何がなくても幸せ」という最高の状態になっているんですから、そりゃそうだっていう感じですよね。
特に活性化している機能として、島皮質があげられます。島皮質は、”自己受容”と”他者共感”を司り、瞑想をすることによって厚みを増していくことがわかってます。
マインドフルネスの効果事例
- 脳の活性化
- 免疫力の向上
- 燃え尽き症候群の低下
- テロメアの維持+復活 ※テロメアは、染色体の先っぽにあり、老化・エイジングを司ります。認知症とも関係します。
- 共感力の向上
このような効果が世界トップクラスの大学から論文発表されています。いずれにしても、マインドフルネスに取り組むといい事があると理解できますね。
マインドフルネスのこれから
そもそもマインドフルネスは、”禅”の考え方「調身」「調心」「調息」をベースとしてアメリカで拡がり宗教色を排除して科学的研究が進められてきました。
その中で前述の通り、自己認知や他者共感を司る島皮質が分厚くなり、左側前頭前野が活性化していくことがわかってきました。さらなる”人間の幸せ”の研究のため、”科学者””哲学者””心理学者””宗教家”が手を組み総合的に考察を始めています。
まとめ
”人間の幸せ”って何なのか。難しいテーマですね。
今回、「何があっても幸せ何がなくても幸せ」という言葉から感じたことは、いかに幸せを”感じる”のか。そのためにも自分自信についてわかっていないと感じることができないんだなと考えさせられました。
つまり、《自己認知ができない人間が他者に共感する力が高いはずがない》ということです。
方法として瞑想を習慣化すること。これがハッキリしているということは、ストレスフルな現代で生きて行く上で我々にとっては大きな助けになるのではないでしょうか。多くの価値観や情報が氾濫する中、いかに自己認知ができて現在地を掴むことができるかで、他者への理解を深めていくか。そこに幸せがあるような気がします。