人間学を学ぶ雑誌「致知」2018年1月特集テーマ「仕事と人生」にて、「ひたむきなエネルギーが時代を動かす」という対談テーマで、TBM社長 山崎敦義氏とユーグレナ社長 出雲充氏の対談記事が掲載されている。
TBMの”ライメックス”とユーグレナの”ミドリムシ”いずれもこれまでになかった技術を日本発で発信している。ユーグレナについては、数年前にすでに上場し最近では健康食品の広告でもよく目にする機会がおありだと思うが、”ライメックス”は耳にした事があるだろうか。
私自身、初耳でしたのでこれからの未来を担う新素材”ライメックス”に焦点を当ててご紹介します。
LIMEX(ライメックス)とは
”紙やプラスチックの代替品”となる新素材。命名の由来は、石灰石(ライムストーン)+無限の可能性を表す(X)で”ライメックス”となったそうだ。
そもそも紙を1トン作る際には、約20本の木と100トンの水が必要という事で地球温暖化が加速されてきたという問題がある。そして、プラスチックにおいてはプラスチックのゴミが海に投棄されるると、マイクロプラスチックという微小な粒子となり、それを食べた魚をさらに人間が食べて病気になるという問題がある。
これらの問題を解決する新素材が”ライメックス”だ。
”ライメックス”の原料は、石灰石(ライムストーン)だ。この石灰石(ライムストーン)は、地球資源の中でもほぼ無尽蔵に採掘が可能で、日本ですら100%自給自足できる資源であるという事がポイントです。
先ほどの紙を生産するときの木も水も必要ないということ。今春、サウジアラビアの国王が来日していたことは、まだ記憶の片隅にありますか?
その時もサウジアラビアも、森林資源や水資源が乏しい事情を抱えるなか石灰石は100%自給できるということで興味を示しているそうだ。
また、プラスチック製品も石油の使用量を大幅に抑えて代替品を作れるので環境問題や、資源問題に大変役に立つ新素材として注目されている。
ライメックスの代替品
紙の代替として
- 地球上の貴重な資源である木や水を使うことなく紙を製造可能。
- 通常紙1トン生産する場合、樹木を約20本、水を約100トン使うが、LIMEXは原料に木や水を使用せず、石灰石0.6~0.8 トンとポリオレフィン約 0.2~0.4 トンから LIMEX の紙代替 1 トンを生産可能[3][23]。
- 耐水性が高く、浴室や水回り、屋外や水中での利用が可能。
- 経年劣化に強く、半永久的にリサイクル可能。
プラスチックの代替として
- 従来の原料が石油由来樹脂 100%なのに対し、LIMEXでは主原料が石灰石であり、石油由来樹脂の使用量を大きく削減可能[24]。
- 単価の安い石灰石を主原料とすることで高い価格競争力を有する。
- LIMEX の印刷物等のリサイクル材から、LIMEX 製のプラスチック成型品を作れ、環境負荷軽減に貢献できる。
- 容器包装リサイクル法において、リサイクル可能な樹脂素材等で製造した容器や包装を使用している事業主は、行政が行うリサイクル活動費用(リサイクル委託金)を負担する義務を負うが(例えばプラスチックの場合は使用重量1キログラムあたり45円)、LIMEX の場合はその対象外となる。
- LIMEXプラスチックを利用することで、環境負荷削減に貢献できる。(wikipediaより)
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特に、”ライメックスの名刺”は2017年度グッドデザイン賞を受賞している。
この新素材”ライメックス”は、環境・消費者・会社と三方よしを実現しているので、これから主要素材へとなっていく事が予想される。
クレド
株式会社TBMの名前の由来は、Times Bridge Management
「100年後も残る技術や事業を創り、時代の架け橋となる会社にしたい」という想いが込められている。
そして、以前ご紹介したクレドが制定されている。スタートアップなので様々なバックボーンを持った社員が集まるので、共有できるものとして活用されているのだろう。
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橋を架ける人は、過去を知り未来を想い、新たな価値を創造する。そのために今日すべきことを具体的に見極め、速やかに実行する。
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橋を架ける人は、すべての汗と涙の先に、世界と自分の幸せがある。そのための知識を吸収し、自らを鍛え、目の前の仕事にあらゆる手を尽くす。
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橋を架ける人は、自分の能力より大きな仕事に全力でぶつかる。自らの欠点を謙虚に見つめ、しかし生みの苦しみから決して逃げず成長してゆく。
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橋を架ける人は、理想と現実のバランス感覚を磨いている。 仕事相手の願い、自分や仲間たちの願い、そのどちらも両立させる。
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橋を架ける人は、人と人との間に絆をつくる。 つらい時こそ仲間を信じ、前向きに笑い、いつも感動と感謝を忘れない。
(以上、株式会社TBMホームページより。)
まとめ
今回ご紹介したTBM社長 山崎氏は、大阪府岸和田市出身。
中学卒業後大工となり、20代で中古車販売業を起業、30代でTBMを設立という異色の経歴を持っている。
30代の時に初めてヨーロッパに行った時、何百年もかけて作られた建造物を見て、「自分がいなくなった後もその志を継いで何百年も挑戦を続けていくような会社を残したい」と強く思った事だという。
最初は台湾のメーカーが作るライメックスの元となるストーンペーパーという石で作られた紙から始まった。多くの人がポテンシャルに興味を見つけど、品質が悪くて諦めるという商品に出会ったことがきっかけとなってTBMを設立する。
- 1トンの紙を作るために必要な水は、100トン
- 10分間に、地球上から無くなる森林は、野球場と同じ大きさ
- プラスチックを作るのに必要な石油も限りがある。
この3点と、環境問題の多くが紙を作ることで発生していることに気づいたため、台湾メーカーの品質が悪いなら、自分たちで作ろうと決心したという。
これから成長を告げていくことは間違いないだろう。
アナタの身の回りにも”ライメックス”の製品があるかもしれない。手触りが少し違うなと思うものはないだろうか。
また、何かノベルティを製作する機会があれば、素材にこだわってみるのも面白いかもしれないですよ。
もらった側も驚きの新素材。今後の情勢に注目です。