Newsweek日本版(2017/10/10号)でマインドフルネスの特集が組まれています。
題して、「日本人が知らないマインドフルネス」ということでアメリカでの広がり状況と、アメリカ人記者の10日間にわたる瞑想プログラムへの参加体験記がまとめられています。少し内容をご案内しますね。
瞑想体験記
プログラムの内容は、10日間毎日10時間の瞑想行うといいうもの。(毎日4時に起床して、食事と自由時間以外は瞑想の時間になるそうです)
他の参加者との会話、目を合わすこと、しぐさで合図を送る事全てが禁止されているという。
そんな中、3日目の朝5時30分に限界を感じたところから記事はスタートします。
その時は瞑想に入っている他の参加者を見て、《UFOの降臨を待っているのか?!》って思ったそうです。(←どんな状況かなんとなくイメージがつくのでおもしろいですね。)
その後、プログラムに戻り瞑想に取り組んでいくと、頭の中を駆け巡る”思考”や”音楽”を払いのけていくうちに、思考が抽象的になり”客観的に思考を楽しめる”ようになり、その後瞑想自体を楽しめるようになったそうな。
その後、10日間の瞑想プログラムを終了してニューヨークの街へ戻ったときに感じたのは、通勤電車の不快感や会話の空白を埋めなければという衝動がなくなったということ。
また、健康面でも瞑想プログラム参加前と参加後のストレスに関する数値の比較では、甲状腺ホルモン及びコルチゾールの数値が大幅に改善されていたそうです。
この記者が学んだのは”騒々しい頭の中を一時的にでも「静かに」する術”であり、”自分の脳をコントロールできる感覚”と”世界との接し方を変えられる”という感覚を得たこととまとめられています。
研究結果の紹介①
文中では、”脳の可塑性”に関する研究結果が紹介されています。
アリゾナ大学の研究グループは、人事部の管理職(神経の疲れる仕事)45人を対象に実験を行い、実験の前後に”マルチタスクでストレスの強い”テストを受けてもらいました。
実験内容は、以下の通り
- 3分の1には、8週間の瞑想訓練
- 3分の1には、身体をリラックスさせる訓練
- 3分の1には、なにもしなかった
実験結果は、瞑想グループの人たちは他のグループに比べて集中力を長く維持してテスト中のストレスも軽いということがわかったそうです。
脳の可塑性とは、たいてい無意識のうちに周囲のさまざまな力によって形成(脳の配線)されているものです。ウィスコンシン大学マディソン校のリチャード・デービッドソン教授は、瞑想は脳神経の”配線をやり直す”ことができ、この実験結果から「人間は実際に自分の脳の機能的、構造的変化を促せる」という言っています。
研究結果の紹介②
刑務所に服役中の受刑者(なんらかの依存症をもつ)のうち、半分に10日間の瞑想コースを。残りの半分は通常のリハビリ治療を受けさせた。
半年後の状況を比較すると、瞑想組の方が依存症を解消できた人も多く、精神状態も改善されていたそうな。
また、同様になんらかの依存症を抱える人々を無作為に抽出してマインドフルネスストレス低減法(MBSR)を3回行った結果、「ドラッグやアルコールへの依存が弱まり、精神状態も大きく改善した」ニューメキシコ大学のウィトキエビッツ教授が報告しています。
瞑想法の意味は、とにかく依存症の人はとにかく(ドラッグやアルコール)に手を出したくて仕方がない。その自分の気持ち(薬物への希求や自己嫌悪など)を見つめることを教えることだと言っています。
まとめ
体験談の記者は3日目までは激しく気持ちが揺れ動いて、落ち着くことができなかったと書いています。
やはりそれまでの生活(ニューヨーク・記者・日常生活etc…)が目まぐるしい毎日だったんでしょう。
まわりのスピードに流されているといつか限界がやってきます。研究結果の紹介②でウィトキエビッツ教授は、「自分の気持ちを見つめることを教えるのが瞑想法」と言っていますが、まわりのスピードの流れに対する自分の気持ちに気づくことと捉えることができるのはないでしょうか。
記者の体験談での締めくくりのように、今までと同じ環境や事象であっても自分自身の捉え方が変わる。このスタンスがないと精神状態のも悪い影響が出てきてしまうのではないでしょうか。時代の流れが急速にスピードアップしている現代において、”流されていくのではなく流れを掴むための訓練”になるので、マインドフルネス瞑想が広がっているのではないでしょうか。
日本にもすでに流れがやってきていますよ!!