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ギャンブル依存症の克服には「自己責任ゼロ」:大崎大地氏のインタビュー

「致知」

人間学を学ぶ月刊誌「致知」2018年4月号 特集テーマ「本気 本腰 本物」より、読者投稿コーナー「致知随想」に掲載されている大崎大地氏の「ギャンブル依存症撲滅への闘い」をご紹介します。

以前、同コーナーでアルコール依存症から脱し断酒会を主宰されている松井氏の投稿があったが、今回はギャンブル依存症の講演や相談活動を行なっている「一般社団法人大崎大地」代表の大崎氏です。

 

アルコール依存症が気になる方はコチラ

 

ギャンブル依存症ってどうなるの?

 

まずはじめに私自身は全くギャンブル(パチンコ・スロット・競馬・競艇・競輪など)に全く興味関心がなく、それらの施設に入ったこともない。それこそお祭りでパチンコをしたことがあるぐらいで、スマートボールの方がなじみだと言っても良いぐらいなもので調べてみました。

以前のアルコール依存症の話の時は、私も昔はよく呑んでいた(現在、断酒中)ので気持ちもわかりそうなものだったんですがギャンブル依存症については全くピンと来なかったんですよ。

これは依存症に発展するもの(他には薬物依存症がある)にご縁のない方には、◯◯依存症というものがどんなことなのか全く理解できないだろうなとわかったので一緒に勉強して行きましょう。

 

ギャンブル依存症(ギャンブルいそんしょう、ギャンブルいぞんしょう、Gambling addiction)は行為・過程アディクション(嗜癖障害)の一種で、ギャンブルの行為や過程に必要以上に熱中し、のめりこんでしまう状態である[1]

精神疾患のひとつに分類され、医学的な呼称は「ギャンブル障害Gambling Disorder[2]」(DSM-5)または「病的賭博Pathological gambling[3]」(ICD-10)である。

本障害は「持続し反復する問題賭博行動によって臨床的に意味のある機能障害や苦痛が生じている状態[2]」また「貧困になる、家族関係が損なわれる、個人的な生活が崩壊するなどの、不利な社会的結果を招くにもかかわらず、持続的に繰り返され、しばしば増強する賭博行為[3]」を本質的な特徴とする。

2017年9月には国立病院機構久里浜医療センターが「国内のギャンブル等依存に関する疫学調査」の中間とりまとめを発表した[4]。それによると直近一年間でギャンブル等依存症の疑いのある者の割合は0.8%(約70万人、実数32人)。このうち最もよくお金を使ったギャンブル等についてはパチンコ・パチスロが最多であり、割合は0.7%(約57万人、実数26人)だった。 公益財団法人 日工組社会安全研究財団は「パチンコ・パチスロ遊技障害(いわゆるパチンコ依存)」の全国調査を2017年に実施し、その推計人口を発表している。   (Wikipediaより)

 

このようにまず第一の認識しては、「精神疾患」の1つであるという認識が大切なんですね。

どうしても自分の”快楽ため”や”儲けようとして”という眼で見てしまいますが、そうではないということです。大崎氏も記事の中で語っているが、「ギャンブルがやめられないのは自業自得」という意識が当事者にもあり、誰にも相談できなかったそうです。

 

また、ギャンブル依存症は医学的には「ギャンブル障害」というが診断基準はこのように決まっている。

A.臨床的に意味のある機能障害または苦痛を引き起こすに至る持続的かつ反復性の問題賭博行動で、その人が過去12か月間(原文は「in a 12-month period」なので、「ある12か月間」であることに注意)に以下のうち4つ(またはそれ以上)を示している。

  1. 興奮を得たいがために、掛け金の額を増やして賭博をする欲求
  2. 賭博をするのを中断したり、または中止したりすると落ち着かなくなる、またはいらだつ
  3. 賭博をするのを制限する、減らす、または中止するなどの努力を繰り返し成功しなかったことがある
  4. しばしば賭博に心を奪われている(例:次の賭けの計画を立てること、賭博をするための金銭を得る方法を考えること、を絶えず考えている)
  5. 苦痛の気分(例:無気力、罪悪感、不安、抑うつ)のときに、賭博をすることが多い
  6. 賭博で金をすった後、別の日にそれを取り戻しに帰ってくることが多い(失った金を“深追いする”)
  7. 賭博へののめり込みを隠すために、嘘をつく
  8. 賭博のために、重要な人間関係、仕事、教育、または職業上の機会を危険にさらし、または失ったことがある
  9. 賭博によって引き起こされた絶望的な経済状況を免れるために、他人に金を出してくれるよう頼む

B.その賭博行動は、躁病エピソードではうまく説明されない。

▶該当すれば特定せよ・・・挿話性(数か月は軽快する)、持続性(何年も当てはまる)
▶該当すれば特定せよ・・・寛解早期(3か月以上12か月未満基準を満たさない)、寛解持続(12か月以上基準を満たさない)
▶現在の重症度を特定せよ・・・軽度(4,5項目)、中等度(6,7項目)、重度(8,9項目)   (Wikipediaより)

なんか順番に読んでいくと、よくサスペンスドラマとかで出てきそうなイメージそのものですね。

この依存状態からいかに脱出するのか、大前氏は語っています。

 

一般社団法人「大崎大地」の活動内容は?

 

大崎氏は、自身がギャンブルにより数千万円の借金を背負い、睡眠薬自殺を図ったが幸いにも一命をとりとめ家族の支えもあり再び人生をやり直す気力を持ってリスタートできそうです。

それを機に自身の体験を生かしてギャンブル依存症の問題と闘うことを決めて法人設立に至る。

 

学習→気づき→認知→決意→行動→克服→完全克服

 

この7つのサイクルを確立してギャンブル依存症の克服に挑まれているそうだ。

記事内で語られている中で最重要ポイントは先ほど挙げた通り「精神疾患」であるという認識を”学習”をして”気づく”こと。これは本人だけでなく家族も共通認識を持つこと。

そして、「自己責任ゼロ」という考え方。

 

「自己責任ゼロ」という考え方は、依存症に悩む当事者にとっては救われる言葉になるでしょう。

というのも、ギャンブルがやめられないのは本人の性格や意志など本人の問題として片付けていると”自分はダメな人間なんだ”という意識が定着してしまって依存症克服に向けて取り組めなくなる。

「自己責任ゼロ」は、”自分はダメな人間なんだ”という意識から抜け出し、ギャンブル依存症という精神疾患を克服することができると大崎氏は語っています。

 

この考え方は素晴らしいですね。脳科学的に言うと”エフィカシー(自己効力感)”を高めることで、当事者の意識を高める。そうすることで自分自身と向き合っていく活力が生まれます。

脳内には、”感情を司る古い脳””思考を司る新しい脳”がありますが、依存症になっている状態は”古い脳”からの指令に身体がそのまま求めている状態です。それをワンクッションおいて、”新しい脳”がコントロールするように仕向けるってことですね。

新しい脳がしっかりとコントロールできるように、”学習→気づき”というステップが非常になってくるとよく考えられています。

 

まとめ

 

日本のギャンブル依存症者は、536万人もの数になるそうです。その家族も含めると約2,000万人。

日本の人口の20%近い数字ですね。

この依存症の原因の9割が「パチンコ・スロット」だそうです。日本ではなんの規制もなく至る所にパチンコ屋を見かけますが、台湾では1994年に台北から排除。韓国も2006年から法律で禁止して全廃になっているそうだ。

パチンコ産業全体の売上は約20兆円。ギャンブル全体では約30兆円と言うから、その他公営ギャンブル(競馬・競輪・協定)に比べて、いかに人がのめり込んでいくのが全くギャンブルがわからない私でも想像がつきます。

 

かつて職場の後輩にも、暇さえあればパチンコやスロット三昧でキャッシングで借りるのも当たり前で給料が入れば返済という人間がいたが、そういう人もけっこういるということなんだとあらためて考えるきっかけになりました。

ギャンブル依存症について調べると、借金苦になることが多いようだが案外高所得の方も多いそうだ。

高所得なのでとりあえず手元の最低限必要なお金がなくなることはないが、余剰分はギャンブルに注ぎ込み負けが込んでくると借金して取り戻そうとする。それができなければ、とりあえずの返済は翌月にできるものの負けの金額も膨らんでいって数千万円となるそうだ。人は見かけによらないことの象徴ですね。

 

依存症というものは、なろうと思ってなるものではなく気がついたらなっているものだと思います。

それは今までの自分の結果であると言っても過言ではないと思います。しかし、依存症克服に向けて”底つき”というタイミングがやってくると言われています。それは、どんな依存症でも「ここまで来たらヤバイやろ」って自分で思う時。

その時、「自己責任ゼロ」の考え方を思い出して、まずは自分自身の依存症について学ぶことから始めてみましょう。これからのアナタは、今のアナタの行動によって決まります。